「ブレイブリーデフォルト」レビュー。「これぞFFの最新作」と呼びたい力作 

「ブレイブリーデフォルト フラインフェアリー」(以下BDFF」のレビューです。

 発売日に買ったのですが、最近はDOA5とギルドウォーズ2とSKYRIMの同時進行中なため、かなりスローペースでプレイしていて、現在のプレイ時間は20時間~30時間ぐらい。まだ中盤といったところでのレビューとなります。(エンディングまでいったら、ストーリー部分などに加筆するかもしれませんorz)

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 以前にも軽く書きましたが、BDFFを一言で言うなら

「最新携帯向けに丁寧に作った、昔ながらのファイナルファンタジー系RPG」

といったところ。
 タイトルは「ブレイブリーデフォルト」ですが、ぶっちゃけ「ファイナルファンタジー3DS」って名前にしてもいいぐらい。

 四大元素のクリスタルがストーリーの中心となっているうえに、ケアルやフェニックスの尾といったFFワールドの固有名詞がそのまま使われている世界観、さらにFFでおなじみのジョブがズラリとならぶ「ジョブチェンジシステム」を採用したゲームシステムと、その中身はFFそのもの。
 人の行き死にを濁すRPGが多い中で、「戦いと死」を明確にしているスタンスからも「FFらしさ」を感じました。(ちなみに本作のCEROのレートはCの15歳以上。規制理由は「犯罪」と「セクシャル」です。意外と高年齢向けゲームだったわ…)

 FFって名前を使わなかったのは、最新ナンバリングであるFF13と比べるとゲーム開発のテクノロジー的に後退していること、携帯機向けの「FFスピンオフ作品」にすると「また亜流か…」とタイトルの重さを軽く見られる事を警戒したのではないか…と勝手に想像してしまうほどです。

 まぁ個人的には、これが「FF3DS」だったら買わなかったかもしれないので、そういった意味では「BDFF」という新シリーズにしてくれたのは正解だったのかもw

 しかし、そう考えるとFFブランドの価値低下ってけっこう深刻な気がしてきた…。リメイクやソーシャルでタイトル乱発しすぎだよなぁ…。


 以下個別に感想をだらだらと…


【戦闘システム】
 戦闘システムで一番の「ウリ」となっているのは、ゲームタイトルにもなっている「デフォルト(戦闘回数を貯める)」と「ブレイブ(貯めた戦闘回数を消費する)」というシステム。
 この2つを駆使して行動回数を調整することで、1ターンで範囲魔法を連発して仲間を呼びまくる敵を一気に殲滅したり、行動回数を前借りして敵の数を早めに減らしすことで被ダメージを減らす、といった戦い方が可能になります。

 シンプルなルールでありながら、見た目以上に戦略的な戦い方が可能で、コマンドバトルの利点である「じっくり考えながら戦闘を楽しめる」ことを、さらに引き立ててくれる、ナイスなアイデアと言えるでしょう。

 一方で、気になったのがザコ戦闘のめんどくささ。
 BDFFにはオートバトルが無いので、ザコでも必ずコマンドを入れなければなりません。で、ザコ戦は結局ゴリ押しなんで「たたかう」コマンド連打となるのですが、BDFFの場合、そこにブレイブ・デフォルトというコマンドが追加されてしまいます。
 例えば通常のゲームであれば「たたかう」を1回押せばいいところを、BDFFだと「ブレイブ」コマンドを3回押してから「たたかう」を選ぶ事になり、ボタンを押す回数が4倍にもなってしまいます。

 ザコ戦でもブレイブの使い方を考えるのが戦略的! と言えなくもないですが、ぶっちゃけザコ相手の戦いは、最大戦力を叩き着けるだけの単純なモノに固定されちゃうんですよね…。
 ザコ戦用に「全力オート」的なコマンドが欲しかった…というのが正直なところです。いっそ「ザコとはエンカウントしない」でも良かったですが…それだと敵と戦って自キャラを育てていくという「王道RPGらしさ」がなくなるのかな?w


【キャラクター育成】
 キャラクターの成長はおなじみのジョブシステム。
 序盤は装備できるアビリティが少ない事もあり、あまりカスタマイズできませんが、後半になって装備アビリティ数が拡張されていくと、自分なりのキャラクター育成ができるようになりそうです。
 ジョブの数はかなり多めでアビリティも豊富なので、やりこみ育成派やキャラカスタイマズ好きな方ならかなり楽しめそうな雰囲気です。

 また、ジョブチェンジやアビリティ付け替えはいつでも自由にできるので、状況に合わせてさまざまな組み合わせを使い分けられます。「お、この組み合わせで攻略するといいじゃん」的な発見を、手軽に楽しめるのはかなり魅力的といえるでしょう。


【ストーリー】
 ストーリーは「闇に覆われつつある世界を救うため、クリスタルの巫女であるヒロインが、世界征服を狙うエタルニア公国の追ってから逃れつつクリスタルを解放していく」というもの。
 強大な最近のJRPGの中ではオーソドックスな勧善懲悪型で、最近のRPGにありがちな「病んでいる設定」とか「目新しさを狙いすぎてワケが分からなくなった設定」とかがありません。

 個人的には、RPGで病的な設定をはじめとする「人の生き方や考え方」をストーリーに組み込もうとする場合、プレイヤーの行動の自由、つまり「病的な選択を取るか取らないかを選択できる」必要があると思うんです。
「生き方・考え方」なんて人それぞれなんで、人ごととして読める漫画やライノベならともかく、感情移入しやすいRPGで「たった一つの生き方」を正解であるかのように押しつけられると反発が起こりやすい。

 となると、スクエニRPG的な「ストーリーテリング」を見せる場合、基本的には昔話的なオーソドックスな物でやるしか無いと思うんですよねぇ…。
 そういった意味では、BDFFが、奇をてらわずに王道ストーリーを丁寧に構築したのは大正解だったと考えます。

 まぁ、個人的には生き方を自分で選択できるRPGが理想だとは思いますが、ストーリーテリングRPGでそれをやるのは大変でしょうね。
 BDFFがシリーズ化したら、いつかやってくれないかなw


【キャラクター】
 RPGだとストーリーとはべつに「キャラクターが魅力的か」も面白さの重要なファクターです。ヘタするとストーリーがダメダメでもキャラさえ立っていれば成功しちゃうことも珍しくありません。

 で、BDFFは正直、キャラ性は並って印象です。

 女の子達に「拒否します!」「白か黒か」といったキーワード的セリフを連発させることで、キャラの雰囲気を掴みやすくしてくれるのは流石だなーと思いますが、基本的に優等生キャラばかりなので、ちょっと変化に乏しい。まぁストーリーが王道なので、キャラに極端な個性を持たせるのは難しいってのもあるのでしょうが。

 また、テイルズシリーズでおなじみの「キャラクターチャット」を採用することで、従来のFFよりは、キャラクターのパーソナリティが表に出てくるようにはなっていますが、これもテイルズほどクセのある会話ではないので、印象度は低めかと。

 グラフィックも可愛くはありますが、ファンシーテイストなので「惚れるぜ!」とは方向性が違いますし。

 まぁまだ20時間しかやっていないので、キャラクター性についてはかなり大ざっぱな印象です。このあと感動的なイベントがあれば一気に思い入れが深まるでしょうし、やり混むと「キャライベントがいろいろ発生する」とかでも、印象はかなり変わると思います。


【3D対応】
 一つ前の記事でも触れましたが、BDFFで地味にスゲーというか、個人的高評価ポイントなのが「3D表示の使い方」。
 今までの3Dタイトルが立体感をハデに出そうとしていたのに対し、BDFFの3D表示は実に地味。それでいてその効果は確実に効いていて、3D表示にすると画面の「深み」がぐっと増します。
 効果がキツくないんで目にも優しくてイイ感じ。
 今後の3D効果のメインストリームはこっち方向に進化していくんじゃね? と思えるほどのデキでした。


【まとめ】
 さて、ブレイブリーデフォルトは昔ながらのRPGのテイストを残しつつ、3D対応のグラフィックや、ストレスがたまりにくいシステム、フルボイスのイベントシーンなど、いまどきのフィーチャーをこんもりと取り込んだ作品です。
「昔のFFは良かった」 「ドラクエは5こそ至高」「最近のJRPGは萌えに走りすぎててついていけん」などなどのおっさんゲーマーなら、ちょっとしたノスタルジーの香りを感じつつ、最新スタイルにリファインされたRPGを楽しめるでしょう。

 一方で、ちょっと気になったネガティブ感想もありまして…。
 BDFFは今の「JRPG」としては素晴らしく洗練されたタイトルだと思うのですが、それだけに「JRPGの限界」も感じちゃったんですよね…。限界というのはちょっと違うかもしれませんが、昔ながらのRPGを正当進化させていくだけだと、新規ユーザーの獲得は難しいのかもなぁ…みたいな。

 僕みたいな高齢ゲーマーであれば、平面グラフィックで描かれたフィールドマップを歩き回ってクエストを一つ一つ解いていく、FFドラクエライクなRPGを原体験として抱え込んでいるため、BDFFを一種の懐かしさとともに楽しむことができます。

 ただ、そういったものが無い若い世代の人…リアルタイムでSKYRIMやFF14などのリッチな3DCGで作られたオープンワールドで冒険気分を楽しみ、ボスキャラとの戦闘はモンハンやドグマみたいなハデなやつで体験ずみ…なんて人からすると、昔ながらJRPGスタイルはいろいろ厳しいのかもしれないなぁなんて心配をしたりしました。

 まぁ今でもポケモンとかあるんでJRPGの系譜はしっかり受け継がれているのかもしれませんし、今時の日本ゲームは据置死亡でリッチな3DCGゲームとか人気ないからそもそも遊んでないって可能性もあるし、もっといえばペルソナみたいにいろいろ新機軸入れまくっちゃえば行けそうな気もするんで、ただの杞憂かもしれないっていうか、そうであるといいなーと思います。

 20歳前後の人のBDFFへの評価ってどんな感じなんですかね?

ブレイブリーデフォルト
スクウェア・エニックス (2012-10-11)
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[ 2012/10/24 00:02 ] ゲームレビュー | TB(0) | CM(5)


この手のおっさん狙い撃ちRPGはそこそこ売れるが、単発で終わるというかシリーズ化しても中々大成しないという感じがする。今のJRPG市場を盛り上げるにはペルソナの様な意欲作こそが必要なのは同感だけど、アトラス以外のメーカーは萌えやブランド志向に走って中々冒険してくれないな
[ 2012/10/24 02:42 ] [ 編集 ]

開発費がかかればかかるほど、冒険できずに手堅くなりますしね-。

インディーズや配信タイトルなどを使った冒険できる環境をととのえて、新たなムーブメントを発見できる余地が必要なのかもしれませんね。
[ 2012/10/24 03:42 ] [ 編集 ]

おっさん的にはプレイして「あー、これこれwこの感じ」って安心感を味わえる定番タイトルってのも残って欲しいっすね
日本には男はつらいよとか、サザエさんみたいなワンパターンだけど安定して人気あって楽しめるモノがありますからw
むしろ、日本のクリエイターが変に海外の影響受けて日本のユーザーが遊びたがってるモノが見えなくなる事の方が心配ですね
某アサルトホライゾンとか…
[ 2012/10/24 04:28 ] [ 編集 ]

FFにしなかった理由はサブタイトルをみればわかりますよ
[ 2012/10/26 20:04 ] [ 編集 ]

BDFFは、体験版を通じてプレイヤーの意見を汲んで
きちんと修正を加えていくサイクルがあったことが
よい作品になった要因だと私は考えています。

従来の体験版というとバイオ6のような
大作のお披露目、宣伝目的が多かったのですが
そこでプレイヤーから出された意見は
もう開発終盤で修正が効きにくく
結果として問題を抱えたまま発売されてしまうというケースがたびたび見受けられます

大型のナンバリングタイトルは外部の修正を受けて…といったサイクルが、メンツもあるのか効きにくいのでしょうかね。
その点でBDは
体験版が容易に落としやすくなった3ds
新規IPだからプレイヤーの意見をどんどん反映していきやすい風潮という2点がよかったと思います。
[ 2012/10/27 12:23 ] [ 編集 ]

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