2012年液晶モニタ事情まとめ…低遅延・高速応答のIPSモニタに注目 

 先日、液晶ディスプレイを新規購入しまして、そのときに最近のディスプレイ事情をいろいろ調べてみました。
 せっかくなので「2012年の液晶ディスプレイ事情」的なエントリでも書いてみようかと。

 なお、僕の購入基準は「ゲーム、動画、静止画、web閲覧(文字)など用途が幅広いので、トータルバランスができるだけ高いレベルでまとまっているディスプレイ」となっています。
 したがって「画質は多少劣っても良いので、動きの速いゲームに最適なモニタ」とか「少々値が張っても、動画が滑らかに再生できるモニタ」という、尖った使い方を想定している方は、また別な選択肢があると思われるのでご了承のほどを。


 まず、液晶を選ぶにあたって、チェックすべき項目を解説してみます。
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 フレーム遅延と残像
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 ゲームメイン…それもシューティングのようなスピード感のあるゲームを遊ぶ場合「フレーム遅延」と「応答速度・残像」をチェックしておきたいところです。
 なお「動きの速い映像」を見ないのなら、ここはそれほど気にする必要はありません。RPG・RTS・エロゲーあたりを遊ぶ分には無関係の項目です。

 フレーム遅延とは「信号が入力されてから、画面に表示されるまでのズレ」のこと。
 応答速度とは画面の書き替え速度のことで、これが遅いと画面の書き換えが間に合わずに表示画像にブレが生じることがあります。

 フレーム遅延は、音ゲーや格ゲーのようなフレーム勝負のゲームだと致命傷になりかねないので、そっち方面での使用を考えている人はよくチェックした方がいいです。
 三菱のRDT234WXやナナオのFORIS2333あたりが低遅延をウリにしていて安心。
 他でも「ゲームモード」「スルーモード」といった低遅延対応モードを搭載している機種はフレーム遅延を抑えることができます。ただし低遅延モードも製品によって遅延フレーム数にバラつきがあり、古いモノでは低遅延でも数フレームのズレが生じることもあるので注意が必要です。
 低遅延モードをチェックするときは、実際の遅延フレーム数まで確認しておきましょう。

 なお、ショップ店員さん曰く「格安のIPSはフレーム遅延が大きくなりやすい」とのことでした。
 遅延フレーム数を公表していないIPSモニタを購入する場合は注意したいところです。


 応答速度に関しては、最近のモニタはある程度の速さは持っているので、「動きの早いゲームを少しでも快適に遊びたい」という強いコダワリが無い限り、それほど気にする必要はないかと。
 1ケタmsなら無問題。10m前半程度まではあまり気にならないレベルだと思います。

 ただ、今まで応答速度2m程の高速TN液晶を使っていた人が、5m程度のIPSに乗り換えると、目が肥えている可能性があるので、残像が目に付くかもしれません。
 気になりそうな場合は、実機でチェックしておくと無難です。
 スポーツ動画やスクロールシューティングのような「小さいものが高速で動く」ソースを使ったり、FPSなどで表示領域をおもいっきり左右に振ったりすると、残像の有無・程度を確認しやすいです。


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 色再現性とsRGB
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 液晶モニタは製品ごとに表示できる色の幅が違うため、同じ「赤」でもモニタが違うと別の色になります。例えば自分でお気に入りの画像データをショップに持ち込んで、モニタごとに表示させると色の違いがハッキリと分かるはずです。

 そこで、色表示のルールを作り「同じ画像なら、どのモニタで見ても同じように表示されるようにしよう!」と考えられたのがsRGBという規格です。

 最近のモニタにはsRGB対応設定が組み込まれていて、ボタン一つで適用できるようになっているものが多いです。
 で、それを使えば共通規格の色で表示されると考えるところですが…実際はそんなことはありませんw
 格安モニタのsRPGは厳密にsRGBではなく「sRGB風の設定」にすぎないことも多いからです。店頭で複数のモニタでsRGBプリセット表示を試せば、その違いを確認できると思います。

 ただ、厳密ではないとはいえ、sRGBが色設定の一つの指標になるのは間違いありません。
 もしsRGBを選択肢の一つとする場合は、店員さんにsRGBへの対応度合いや「sRGBカバー率」などを聞いてみるとよいでしょう。
 ただし、かなり専門的な話なので、詳しい店員さんを捕まえる必要がありますが…。


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 キャリブレーション
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 液晶モニタはまったく同じ作り方をしても、個体差で画質に差が出ます。それを埋めるのが「キャリブレーション」というモニタの映像調整作業です。
 高いモニタはキャリブレをガッツリやっているため、個体差が少ないですが、格安モニタの場合は適当だったり、そもそもキャリブレーションしてなかったりするので、個体による画質の違いが顕著な場合があります。

 キャリブレーションはパネル性能をあげるものではないですが、色調整をしてあるほうが美しい画面になりやすいのは事実です。
 また、キャリブレしていない機種でも、自分で画質調整すれば個体差を埋めることは可能です。もちろん、映像パラメータを細かく弄れる機種の方が、美しい画像に調整しやすいのは言うまでもありません。実機で実際に画質を調整してみて、どの程度まで弄れるのかを確認しておくのも手です。


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 パネルの種類:IPSとVAとTN
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 液晶モニタのパネルの種類で、性能全般に影響します。

 個人的には、今買うなら画質の良いIPSをオススメします。
 数年前までは、高性能高価格のIPS、低価格のTN、その中間のVAという棲み分けがありましたが、最近はIPSタイプの価格が暴落し、もはやTNとの価格差がありません。
 よほど明確な理由…「120フレーム対応や超速応答速度のゲーム特化TNモニタ」「低価格・多機能な型オチTN」「黒がキレイな動画向き大型VA」など…が無い限りIPSを選んでおくのが無難かと。

 IPSの泣き所を強いて言うなら、フレーム遅延が多くなりがちというのがありますが、ナナオか三菱ならそこもクリアできます。


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 サポート
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 ショップ店員さんに聞いたところ「海外メーカーでも国内メーカーと変わりない」という方がいる一方で、「海外メーカーだと、日本語がたどたどしい方と電話をすることがある。またサポート対象範囲が国産メーカーの方が広いことが多い」とのことでした。

 僕は三菱とIOデータのサポートを使った事がありますが、どちらも良い対応でした。
 海外メーカーのサポートに不安があるなら、ツクモやソフマップなどで利用できる、店舗独自の保証制度(延長・交換)を利用するのも良いでしょう。


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 入力端子
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 D-sub、DVI-D、HDMIの3種類があります。DsubはPC用アナログ、DVIはPC用デジタル、HDMIはPCやゲーム機のデジタル端子です。

 ポイントとなるのはHDMI端子の数。
 足りなくてもセレクタで対応できますが、追加出費もバカにならないので、HDMI機器を2個繋げる予定があるのなら、HDMI×2の機種を選びましょう。もっとたくさん使う場合はセレクタを使う事になるので×1でもいいかと。

 最近はPC用のDVI端子を無くして、DsubとHDMIしか無いタイプもあります。HDMIがあればPC接続は可能ですが、変換コネクタが必要になるので注意が必要です。



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 以上を踏まえて、以下「IPSモニタの選び方」です。



 2012年末時点で、IPSモニタを選ぶなら、僕の個人的な考え方では以下の3つの選択肢があります。

・1万円台の低価格モニタのどれか
・三菱のRDT234WX
・ナナオのFORIS2333

 RDT234WXとFORIS233は、2万後半から3万前半の製品で、とてもよく似た製品です。
 ともにノイズやぼやけを軽減する補正機能や、コンテンツにあわせてコントラストを自動調整してくれる機能などを搭載した高性能機。
 また、ゲームユーザーにとっては重要な要素となる「残像」「遅延」にもこだわっていて、RDTは遅延0.1フレ&応答速度3.5ms、FORISは遅延0.05フレ&応答速度3.4msを実現しています。

 この両者は基本性能は似ていますが、画質というか絵作りの方向性がけっこう違うので、店頭で見比べると「違い」が分かりやすいと思います。

 ちなみに僕ならナナオを選びます。っていうか実際にFORIS2333を買った。
 FORISの画質は、RDTと比べると滑らかな感じで、全体的に「おとなしめ」。目に優しそうです。文字を読んだり、絵を描いたりするような、画面凝視系の使い方ならこっちがいいのではないかと。
 さらに、サポートが「5年&故障時は代替機貸与」というのも大きなメリットです(三菱は3年。1年目は代替機付き無料出張対応・2年目以降は通常対応)。

 一方、RDTは画質がクッキリしている印象です。さらにノングレアオンリーのFORISに対し、RDTはグレアモデルがあるので、鮮やかさを優先したいならRDTは有力な選択肢と言えます。ゲームやムービー鑑賞中心なら、こっちの方が楽しめそう。
 あと、RDTはD端子を持っているのもオンリーワンなアドバンテージ。D端子があればHDMI使えないWiiでも高画質でいけちゃいます。

 まぁ、どちらも悪くないんで、三菱かナナオ、好きなメーカーで選んじゃえばいいんじゃないでしょうか。

○参考レビュー記事
【レビュー】三菱電機 RDT234WX(4gamer:PR記事)
EIZO FORIS FS2333(4gamer:通常記事)

B007X90YTIMITSUBISHI 23型液晶ディスプレイ IPS方式/フルHD/ブラック RDT234WX(BK)
三菱電機(MITSUBISHI) 2012-05-18

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B008APX4P0ナナオ FORIS 23.0インチ TFTモニタ 1920x1080 DVI-D24ピンx1 D-Sub15ピンx1 HDMIx2 ブラック FS2333
ナナオ 2012-07-13

by G-Tools



 単体での性能を見ればナナオか三菱買うのがベストだと思いますが、値段がちょっと高いのが玉にキズ。
 3万でナナオのモニタを買うのなら、1.5万でLGモニタを2台買って、マルチモニタにして、使い勝手の大幅な向上を図るのも悪くないと思うというか、むしろオススメだったりします。

 1万円台のモニタは数多くのメーカーがひしめき合っている激戦区なため選びにくくはあるのですが、ぶっちゃけ1万以下だと、LGのパネルを使っているメーカーが多い事もあり、画質の違いがあまり感じられません。

 なので、コントラスト・応答速度といったカタログスペックや入力端子の数の比較、さらにはメーカーへの印象度で決めちゃえばいいと思います。
 正直、このクラスのモニタは同じメーカーでも個体差による品質の違いがけっこう目立つので、結局は掴んだ固体のアタリハズレが一番でかかったりするんですよね…。

 まぁ、最近のIPSパネル搭載モニタであれば、どれもある程度の基準はクリアしているので、安物買いの銭失いということはほとんど無いと思います。

 以下、比較的よく見かける1万円台IPS液晶のメリットデメリットをざっとまとめてみました。


【LG】FLATRON IPS237L-BN(ノングレア:韓国)
○:LGはパネルメーカーでもあるので、パネルの良いところを引き出しやすそう(推測)。
○:「工場キャリブレーション済み」をうたっているので、発色が安定してそう(推測)。
×:DVI端子が無い

【iiyama】ProLite XB2380HS(ノングレア:日本)
○:安心の国産。
○:デフォでピボット機能対応スタンド付き。縦画面カッコイイ。

【IO-DATA】LCD-MF234XPBR/XPGBR(ノングレア/グレア:日本)
○:安心の国産
○:ジャギー軽減の「超解像度」機能搭載。
○:グレアモデルがある。

【ASUS】VS239H(ノングレア:台湾)
○:15000円で釣りが来る驚きの安さ。

 あとはメーカーの好き嫌いで選んじゃえばいいんじゃないかな。

 ちなみに僕が1台目として買うならLGかIO買います。たぶんIO。理由は「昔買ったIOの液晶が悪くなかった&サポートが良かった&LGは買ったことが無い」から。
 2台目ならASUS。安さ一択。Acerあたりがもっと安くなったらそっち買う。

B008ONVLBWLG Electronics 23インチ CINEMA SCREEN(狭額縁ベゼル) IPS(高透過率パネル) MHL対応(ケーブル付属) ハードウェアキャリブレーション/6色相環対応モニター IPS237L-BN
LG Electronics Japan 2012-08-08


B008J9KKB8iiyama 昇降・ピボット機能対応 IPS方式パネル+ホワイトLEDバックライトを搭載 23型ワイド液晶ディスプレイ ProLite XB2380HS
マウスコンピューター 2012-08-17


B006LT7JRQI-O DATA LEDバックライト・IPS液晶パネル採用 超解像技術搭載 23型ワイド液晶ディスプレイ LCD-MF234XPBR
アイ・オー・データ 2012-03-30


B006IK95M0ASUS VSシリーズ 23型ワイド液晶モニタ IPSパネル LEDバックライト ブラック VS239H-P
Asustek 2011-12-17

by G-Tools

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[ 2012/12/01 20:42 ] デジモノ | TB(0) | CM(1)


RDT261WHとMDT231WGの2枚もちな俺に隙はなかった
…多分
[ 2012/12/02 15:31 ] [ 編集 ]

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