ソニーのヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T2」をゲーマー的レビュー 

 友達が「もう使わねーから貸してやろう」といって、ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイ「MHZ-T2」を貸してくれました。
 というわけで、ゲームブログらしく、ゲームデバイス的な観点からレビューしてみます。

 ちなみに、11月発売予定のヘッドマウントディスプレイ「T3」じゃなくて、1年前発売の「T2」です。

720p&立体視対応HMD「HMZ-T2」をさっそく使ってみた
開発者に聞く「HMZ-T2」。第1世代からズバリ何が変わったのか?
ソニーの最新ヘッドマウント「HMZ-T3」を前モデルと比較テスト

 まず、軽くスペックをチェックしておくと、入力はHDMI1系統のみ。
 映像部分は720pの有機ELディスプレイを採用。さらにデュアルパネル式の3D表示が可能。HDMIパススルーできるので、ディスプレイとの併用も簡単です。
 音は別途、出力装置を用意して聞くスタイル。本体部分に3Dサラウンド対応の端子があるので、そこにヘッドホンなりイヤホンなりをつなげて聞いてもイイし、外部のアンプを使ってヘッドホンやスピーカーで聞くことも可能です。

 装着感は決して良くはないですが、まぁ許容範囲。ただ長時間連続装用は辛そう。最大の欠点は重さで下方向にズレてしまうことですが、これは寝転ぶか、リクライニングを深めにして上向きで使用することで回避しました。

 眼鏡があっても"基本的には"問題なく装着できます。
 ただし、眼鏡分の隙間ができますし、眼鏡のフレームで圧迫されることにもなるので、眼鏡がない方が快適なのは間違いありません。

 基本的に映像/音声まわりのハード的な仕様はかなりフレキシブルかつ細かく設定できるようになっていて、さすがソニーといったところです。


 で、いくつかゲームをやってみた感想ですが…良さと悪さが見事に両立してますw

 まず良いところですが、画面の精細さというか、近づいてみる事によって、ディテールがすごくはっきり見えます。
 人肌のアンジュレーションとか、テクスチャの微妙なグラデなんかが、きっちり見分けられてちょっと感動。
 空気の粒子とかも見えてくるので、ゲームの世界の空気感とかまで感じられます。

 また、ヘッドセットて視界が覆われるため、没入感はかなり高い。
 顔と機械の間に多少の隙間ができるため、そこから外の明かりがもれてくるのが少々残念ですが、電気を消せば完璧です。
 普通のテレビでも電気を消せば没入感は高まりますが、どうしてもテレビの光によって周りの風景が多少は見えてしまうのに対し、こちらは画面以外はほぼ完璧に暗くなります。

 また、寝っ転がって遊べるのが最高に快適w
 上向きに寝て遊ぶのが、こんなに楽だとは思わなかったw



 一方、悪いところもけっこうあります…。

 まず、画面が思ってたほど「大画面の迫力!」という感じじゃないです。
 宣伝文句で「20m離れた750インチのスクリーンと同じ」的なのがありましたが、そんな感覚はありません。
 視界内での画面の大きさ的なものだけでいえば、映画館のスクリーンと同じっぽいんですが、実際に見るとそういう印象はなく、「小さめの画面を目の近くで見ている」以上ではありません。
 この辺は「感覚」の問題なので難しいとは思いますが…。


 次に、解像度が720pなので、高精細なゲームの場合、フルHDディスプレイで遊ぶのと比べると、画像の荒さが目につきます。
 PS3で遊ぶ場合、内部解像度1080pのタイトルは少ないので影響はあまり無いですが、PCで遊ぶ場合や、ブルーレイなどの映像ソースを見る場合は気になりそうです。


 あと、ゲームの場合「3D酔いしやすい」のも厳しい。
 なんでかは分かりませんが、とにかく3D酔いが激しいです。
 3D酔いしやすいゲームだと、あっという間に気持ち悪くなります。
 3D酔いしにくいゲームでも、しばらく遊んでいると酔ってしまいました。


 そして、これが最大のネガティブポイントなのですが、ヘッドマウントディスプレイは画面全体をまんべんなく見るにはまったく向いておらず、そのためゲームとの相性は決して良くはありません

 どういうことかというと、映画館のスクリーンをイメージしてもらうと分かりやすいと思いますが、あれぐらいのサイズになると、人の目は中央部はしっかり見えますが、画面の端は「なんとなく見ている」程度になります。
 HMZも同様で、画面の中央と端を同時に「文字などを認識できるレベル」で見る事ができません。

 映画などなら、画面の端に重要な情報はほとんど表示されないので、たいした問題ではないのですが、ゲームの場合、隅にキャラクターのステータス、戦闘のログ、マップなどなどの各種情報が表示されるため、非常に都合が悪い。
 おまけに、ヘッドマウントディスプレイは、首を振って視線をずらすことができないので、画面の端を見ようと思ったら、眼球をグリグリ動かさないとダメです。
 これは、かなり疲れます。
 また純粋なゲームプレイの観点からでも、情報確認の反応が遅れがちでスコアに支障がでます。

 最初は、そもそも視線変更がめんどくさくてゲームになりませんでした。
 しばらくすると視線変更には慣れてくるのですが、長時間遊んでいると疲れるわ酔うわで、体が持ちませんw

 コレに関しては、HMZの欠点というより、ヘッドマウントディスプレイという形式の弱点でしょう。解消するには、ゲーム側がインターフェースをHMD向けにチューンするしか無い気がします

 個人的には、ついでにヘッドトラッキングセンサーもつけて、アタマを振るとそれに合わせて視界が動きまくり、各種情報系はトランスペアレントして画面中央に表示…なんてぐあいの「ヘッドマウントディスプレイ専用ゲーム」に期待しちゃいます。「Oculus Rift」はどうなるのかなぁ。

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 さて、HMZがゲーム用のデバイスとしてどうか…ということになると、個人的には、あまりオススメできませんw

 確かに、画面を至近で見る事による未体験の詳細なCGクオリティや、圧倒的な没入感は素晴らしいです。
 SKYRIMのような「高精細CGの箱庭ゲーム」だと、その良さを余すところ無く体感できるでしょう。

 ただ、装着感がよろしくない、長時間は厳しい、3D酔いしやすいなどなどの各種デメリットとトレードオフにできるほどか…というと微妙と言わざるを得ない。

 あくまで「ちょっと試してみたい!」とか「1度経験してみたい!」というレベルのもので、そこに6万は高すぎる、というのが正直な感想です。

 ただ、その辺をぜんぶ覚悟した上で、有機ELによる没入感や精細さを追い求める! と言うのであれば、決して悪くはないというか、覚悟の分だけのリターンは与えてくれるハードでもあります。
 なによりオンリーワンなハードなので「持っている楽しみ」を存分に味わえますしw

 また、ゲーム用ではなく、映像用ということであれば十分オススメできます。
 惜しむらくはウリの「3D」がすでに死に体ということですが…。(実は近所のかなり大きめのレンタル屋に3Dの映画を借りにいったのですが、3D版のレンタルはホントに少ないです。最新作で3D対応とかごく僅か。つかアバターすら3D置いてなかったわ…。スカパーの3Dチャンネルもいつの間にか終了してましたし、「3D」とかあっという間に廃れそうな気配ですねぇ…)

 最新型となる「HMZ T3」は、解像度こそT2と同じ720pですが、ワイヤレス化や軽量化によって装着感がかなり向上しているそうなので、新発売に合わせて買ってみるというのも、Geek的にはかっこいいかもしれませんw



 次回、実際にゲームを遊んでの、タイトルごとの感想を書いてみます。



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[ 2013/10/28 12:19 ] デジモノ | TB(0) | CM(0)


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