『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』感想。オープンとリニアの素晴らしき融合 

 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をクリアしたので、レビューというか感想的なものを。

 すでに神ゲー的な評価を受けている本作ですが、僕もまったくもって同意します。
 正直、ドラクエ1やFF7、マリオ64や時オカクラスの「歴史に名を残す」レベルと言って差し支えないかと。
 それぐらい、すばらしい作品です。遊べてよかったw



 ゼルダのスゴさはいろいろあるんですが、個人的にもっとも感心したのは、オープンワールドでありながら、メインストーリーがかなりしっかりしてるというか、”基本的”に「ストーリーに沿ってプレイする」スタイルが確立されているところ。

 オープンワールドRPGとリニアRPGが、見事に融合しているんです。

 多くのオープンワールドRPGは、世界を自由に動き回れる反面、行動の「結果と報酬」がざっくりしていたためモチベーションを保つのが難しかったと思うんです。
 ゲーム側が目的を用意してくれないから、遊ぶ側が自分で目的を設定してモチベーションを保つ。
 それが従来のオープンワールドの遊び方。
 オープンワールドが苦手な人って「何をしていいのか分からない」と同時に「達成感が得られない」ってのが嫌なんじゃないかなぁ…と。

 ところが、ゼルダはオープンワールド的な数々のプレイ要素を「リンクを強くする」という一点に集約させています。

 狩りをして食材を得て料理を作れば、回復や強化アイテムを入手できる。
 敵を倒して武器を拾えば攻撃力がアップする。
 祠の謎解きをクリアすれば、リンクのステータスがアップする。

 世界を自由きままに旅しつつも、それらの行動がすべて「ガノンを倒してゼルダを救う」という、ストーリーの最終目標につながっています。

 祠の謎解きは確かに楽しいです。
 でも、それそれだけを大量に用意されても、途中で飽きると思うんです。
 だけど、ゼルダは「祠の謎解き」という単発イベント的なものに、リンクのステータスアップという要素、つまり「行動に対するリターン」を手厚くすることで、飽きない、もしくは一旦止めても別の機会に再挑戦したくなる設計にしています。

 上記に限らず、ゼルダは「達成感」を得られる仕組みがゲーム全体に散りばめられています。

 以前、どっかのゲームサイトで「日本やアジアでは経過ではなく結果を楽しむ傾向が強い」という記事を読んだことがあります。
 そんな理由からか日本ではイマイチ人気のないオープンワールド系RPGですが、達成感の塊である『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』であれば、そんな人でも間違い無く楽しめるはず。
 そして、今までオープンワールドが苦手だって人に、その魅力の一端を教えてくれる得がたい作品だと思います。

 RPG好きなら、ぜひプレイして欲しいなぁ。

ゼルダの伝説
ブレス オブ ザ ワイルド
Switch

ゼルダの伝説
ブレス オブ ザ ワイルド
[Wii U]


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 オマケ:オープンワールドRPGと昔のジャパニーズRPGの話



 オープンワールドというと、スカイリムなどの洋ゲー大作RPGが思い浮かびますが、僕はドラクエやFF、スターオーシャンなどをはじめとする日本RPG全盛期の作品の多くが「オープンワールド」だと思っています。

 昔の国産大作RPGは、ストーリーの進行度による行ける場所の制約こそありますが、それさえ外してしまえば、けっこう好き勝手に世界を旅できるものばかり。

 ここ数年は開発費の高騰などの理由で、ボリュームをメインストーリーに集約した「完全なる一本道型RPG」が増えてきましたが、かっての国産RPGは「ストーリーを追いかけつつ、気が向いたらまったく関係のない場所を探検したり、レベル上げやアイテム収集を楽しんだり」ってプレイスタイルが「当たり前」でした。

 完全な「オープン」ではないかもしれませんが、「ストーリーに縛られることなく世界を旅できる」という意味であれば、国産RPGは、はるか昔に「オープンワールド」を達成していたのです(”元祖”ということであれば、国産RPGではなく『ウルティマ』でしょうが)。


 ここ数年の作品で、評価の高いRPGというと、「ゼノブレイド」や「Witcher3」が思い浮かびます。
 あれって、どちらも「ストーリー指向」が強いタイトルでありながらも、世界もしっかりと作り込んでおくことで、「メインストーリー以外の横道プレイも思いっきり楽しめますよ」って作品だと思うんです。

 ただ、どちらも「横道要素」はあくまで「オマケ」。もちろんプレイしていて楽しい「オマケ」ではありますが、ゲームのもっとも大きな柱である「ストーリーライン」に深く関わってはいませんでした。
 作りとしては、かっての国産RPGと同じ、伝統的スタイルです。

 そういう作りにしたのは、オープンワールド部分をストーリーに強くリンクさせてしまうと、それがストーリーを進めるために「やらなければいけないこと」となり、自由度がいきなり消滅するから…ってのがあると思うんです。


 ところがゼルダは、やりこみ要素をガッツリと用意して、さらにそれらをストーリーにリンクさせつつも、オープンワールドの良さをまったくスポイルしていません。

 素晴らしい!

 うまくいっている理由のひとつが、ゼノブレやウィッチャーとは違い、ゼルダは「オープンワールドRPGのプレイ体験を最優先し、そこにモチベーション維持のためのストーリーを組みこんだ」っていう作りにあるんじゃないかなぁと。
 まず「世界」があって、その世界を活かすストーリーをあとから作った感じ?

 「面白いストーリーとRPG」って相性悪いと思うんです。
 だって、「急いで先を読みたくなる最高のストーリー」であれば、RPG的なレベル上げやダンジョン探索は「物語の先を読むことを邪魔する苦痛要素」でしかないですから。

 その点、ゼルダのストーリーはとてもよくできていますが、ストーリーラインとしては非常に単純。
「ガノンを封印しているゼルダを救うために、世界を旅して強くなろう」
 でしかありません。

 ゼルダのストーリーは、1話完結のエピソードトークの積み重ねで、ドラマチックな展開とかが用意されていないから、「先を早く読みたい!」ってならない。
 つまり「ストーリーを早く進めたい」という、オープンワールド体験の妨げになるような欲求が発生しないんです。

 クリエイターとしては、劇的なストーリーを作りたくなるであろうに、そこを切り捨てて「ゲーム体験」を徹底的に優先しているところが、ゼルダの完成度の高さと凄みにつながっているのではないかなぁと妄想しています。


 唯一の欠点というか残念なところは、世界とストーリーが見事に融合してしまった結果、ストーリーをクリアすると、ゲームを続けるモチベーションか大幅ダウンするところでしょうか…。なんという贅沢な要求w

 そういった意味では、DLCあたりで「後日談」とかが出るとハマりそうです。荒廃した世界をゼルダと一緒に復興していく…みたいな。

 DLCに期待大です。



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 ちなみに、クリアはWiiU版でしたが、故あってSwitch版もけっこうプレイしました。
 両者の比較ですが、意識的に比べるとSwitch版の方が綺麗な印象です。高解像度のおかげで画面が全体的にクッキリしていて見やすいかと。
 ただ、比べなきゃ気にならない程度かなと。
 アニメ的なCGなので、フォトリアルなグラフィックのゲームほど、マシンスペックの影響を受けにくいのかもしれません。
 もともとがWiiU用に開発していたというのも大きいかもしれません。

 Switchをすでに持っているのであればSwitch版を買うのが自然だしょうが、Switchは無いけどWiiUを持っている…というのであれば、WiiU版でもゼルダのプレイ体験をあますところなく享受できると思います。
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[ 2017/06/09 15:16 ] ゲームレビュー | TB(0) | CM(0)


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